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2026/09/25

【2026年民法等改正法成立】成年後見制度は何が変わる?デジタル遺言とは?

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2026年6月に「民法等の一部を改正する法律」が成立・交付され、成年後見制度や遺言制度が大きく見直されることになりました。これにより、「必要がなくなれば成年後見制度を途中で終了できるようになる」「パソコン等で作成した遺言を、一定の手続きを経て法務局で保管できるようになる」など、時代に合わせた使いやすい制度に変わります。

この記事では、成年後見制度と遺言制度の見直しのポイントや変更時期などをわかりやすく解説します。

#2026民法等改正 #成年後見制度 #遺言制度

民法とはどんな法律?

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民法とは、個人や企業などの基本的な権利やルールを定めた法律です。売買や賃貸借などの契約や、結婚・離婚などの親族関係、亡くなった人の財産の引継ぎルールなど、生活するうえで起き得るさまざまなトラブルを防ぐ役割を果たします。

今回の民法等改正では、成年後見制度と遺言制度について大きな見直しがおこなわれます。

参考:「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言の制度の見直し)について|法務省民事局

成年後見制度見直しのポイント 

「成年後見制度」とは、認知症や知的障害、精神障害などにより十分な判断能力がない人を法律面で支える仕組みです。支援者が本人に代わり財産の管理や契約手続きをすることで、権利や生活を守ります。

成年後見制度には、すでに判断能力が低下している場合に家庭裁判所が支援者を選ぶ「法定後見制度」と、判断能力が十分あるうちに支援を頼みたい人やサポート内容を決めておく「任意後見制度」の2種類があります。

参考:成年後見はやわかり

現在の成年後見制度は、「本人や家族が希望した人ではなく、家庭裁判所の判断により専門職等が選任される場合がある」「一度始めると本人が亡くなるまでやめられず、報酬の支払いが一生続く」などの問題点が指摘されていました。

そこで今回の改正で、主に次の点が変更されます。

 現行改正後
利用期間本人の判断能力が回復するか、亡くなるまで必要な手続きが終わるまでなど、期間を区切って利用可能
支援者の選定親族などが希望しても、裁判所の決定で弁護士などの第三者が選ばれることが多い本人の意思や家族の意向が尊重
途中での交代が認められやすくなる
支援者の区分本人の判断能力に応じて、
「後見」「保佐」「補助」の3段階
「補助」に一本化し、「特定補助」を新設
任意後見制度任意後見監督人を必ず専任
法定後見と併用不可
任意後見人が不要なケースもある
法定後見と併用可

成年後見制度の変更点①必要な期間・範囲だけ利用可能に

現在の成年後見制度は、いったん利用を開始すると本人の判断能力が回復しないかぎり原則亡くなるまで続きます。

改正後は、本人の判断能力や支援の必要性に応じて、制度の利用を終了できるようになります。例えば、「遺産分割協議や不動産の売却など特定の手続きのために成年後見制度を利用し、必要がなくなれば終了する」など、状況に応じた柔軟な利用が可能になります。

成年後見制度の変更点②本人の意思を尊重

現行の制度では、本人の意思は支援者を選ぶ際の考慮要素の最後に記載されていました。改正後は考慮要素の最初に本人の意思を挙げ、より重要であることを明確にしています。

また、これまでは「本人のため」という理由で、支援者が本人の意向を十分確認せずに財産管理などをおこなうケースもありました。改正後は、できる限り本人の希望を尊重して支援することが求められます。

さらに、支援者の解任事由に「本人の利益のために特に必要があるとき」が追加されます。これにより、不正行為などがない場合でも、本人との関係性などを踏まえ、本人の利益のため特に必要があると認められる場合には、支援者を交代できるようになります。

成年後見制度の変更点③「補助」に一本化

現行の制度では、本人の判断能力に応じて権限が異なる「後見」「保佐」「補助」のいずれかが選ばれていました。改正後は後見と保佐が補助に統一され、必要な権限だけを個別に設定する仕組みになります。例えば、「遺産分割協議の代理権」や「介護施設への入所契約に関する同意権」など、必要な支援に応じて権限が設定されます。

一方、「補助」に一本化すると重度の認知症などで意思表示が難しい人を十分に守り切れなくなる恐れがあります。そこで、判断能力が著しく低下している方向けに「特定補助制度」が新設されます。この制度で選ばれた「特定補助人」は、預貯金の引き出しや不動産の売買など、財産に関する重要な手続きを取り消すことが可能になります。

成年後見制度の変更点④任意後見制度がより使いやすく

任意後見制度は、判断能力が十分なうちにサポートしてほしい人(任意後見受任者)を指名し、何をしてもらいたいか契約で決めておく制度です。本人の判断能力が低下した後に家庭裁判所に申立て、「任意後見監督人」が選任されると任意後見契約がスタートします。

改正後は、家庭裁判所が「家庭裁判所の直接監督で十分」と認めた場合に、監督人なしで任意後見契約を開始できるようになります。これにより、手続きの負担や監督人への報酬費用などが軽減されます。

また、改正前は任意後見契約だけでは対応しきれず法定後見制度に切り替えると、元の任意後見契約は終了する仕組みでした。改正後は、法定後見制度を利用し始めても任意後見契約を続けられるため、本人が元気なうちに決めておいた契約内容を状況に合わせて柔軟に活かしやすくなります。

このほか、任意後見受任者が亡くなった場合などに備えて次の任意後見人候補者を決めておいたり、優先順位を指定しておけるようになります。

遺言制度見直しのポイント

遺言書制度では、保管制度と押印について見直されます。

遺言制度の変更点①遺言書保管制度の創設

一般的な遺言の種類には、本人が全文を手書きして自宅などで保管する「自筆証書遺言」と、公証役場で作成してもらう「公正証書遺言」があります。

自筆証書遺言は費用をかけずに手軽に作成できますが、亡くなったあとに家庭裁判所での確認手続きが必要で、紛失や改ざんの心配があります。一方、公正証書遺言は裁判所の確認が不要で紛失などのリスクもありませんが、数万円程度の費用や手続きの手間がかかります。

2020年からは「遺言書保管制度」がスタートし、法務局で保管した自筆証書遺言は裁判所での手続きが不要になりました。これにより、費用を抑えて紛失などのリスクを減らせるようになりましたが、手書きでの作成と法務局での対面手続きは引き続き必要でした。

今回の改正では「保管証書遺言」が創設され、パソコンでの作成やオンライン手続きが可能になります。Web会議システムを使い、本人が遺言の全文を口頭で述べて法務局が保管する仕組みが導入されるため、本人の意図に反した遺言書の作成も防げます。

遺言制度の変更点②押印要件の廃止

これまで遺言書には押印が必要で、押印がないことを理由に遺言書が無効となるケースもありました。

今回の改正では、いわゆる“脱ハンコ”の流れを受けて押印が任意となり、押印がなくても遺言書として認められるようになります。

制度の変更はいつから?

民法等の一部を改正する法律は2026年6月17日に成立、6月24日に公布されましたが、直ちに適用されるわけではありません。実際の運用開始時期は内容ごとに異なり、法務省からは次のように発表されています。

改正内容施行時期最長期日
成年後見制度の見直し(後見・保佐の廃止、補助への一元化など)公布の日から2年6月を超えない範囲内で政令で定める日2028年12月頃まで
遺言制度の見直しのうち、押印要件の廃止公布の日から1年を超えない範囲内で政令で定める日2027年6月頃まで
遺言制度の見直しのうち、保管証書遺言の創設等(システム改修を要するもの)公布の日から3年を超えない範囲内で政令で定める日2029年6月頃まで

出典:「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言の制度の見直し)について|法務省

具体的な開始日は今後決定されますが、それまでは現行の民法等が適用されます。

民法改正で成年後見制度と遺言制度がより使いやすくなる

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2026年6月に成立した「民法等の一部を改正する法律」により、成年後見制度と遺言制度が使いやすく見直されます。

成年後見制度は本人の意思がより尊重されるほか、必要な期間・範囲に限って利用できるようになります。遺言制度では「保管証書遺言」が創設され、パソコンでの作成やオンライン手続きが可能になります。

今回の改正を機に、将来の財産管理や相続について家族と話し合ってみてはいかがでしょうか。

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