【2026年版】医療保険制度改正のポイント|窓口負担や保険料はどう変わる?
著者
阿東いつ子

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そこでこの記事では、医療保険制度改正のポイントや、私たちの負担がどのように変わるのかをわかりやすく解説します。
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医療保険制度改正で何が変わる?

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今回の医療保険制度改正は、高齢化によって増え続ける医療費に対応し、医療保険制度を将来にわたって維持することを目的としています。そのため、世代ごとの負担の公平性を高めながら必要な医療を受けられるよう、次の4つの見直しがおこなわれます。
- OTC類似薬の追加負担
- 高額療養費の年間上限の新設
- 後期高齢者医療制度への金融所得反映
- 妊娠・出産に対する支援の強化
OTC類似薬の追加負担(2027年3月から)

セルフメディケーションの促進や医療費の削減を目的に、2027年3月から一部のOTC類似薬に対し特別料金(患者の追加負担)が導入されます。これにより、従来の窓口負担(1~3割)に加え、薬剤費の25%を追加で支払うことになります。
OTC類似薬とは、医療機関で処方される医療用医薬品のうちドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる市販薬(OTC医薬品)と成分や効能がほぼ同じ薬です。今回、追加負担の対象となるのは77成分(約1,100品目)で、主に次のような症状や目的に使用される薬です。
- 鼻炎
- 胃痛・胸やけ
- 便秘
- 解熱・痛み止め
- 風邪症状全般
- 腰痛・肩こり(外用)
- 水虫
- 殺菌・消毒
- 口内炎
- おでき・ふきでもの
- 皮膚のかゆみ・乾燥肌
ただし、子どもやがん患者などの継続的な治療が必要な方は、対象外となる見込みです。
関連記事:【2026年度診療報酬改定】患者の負担はどう変わる?OTC類似薬自己負担の見直しも解説
高額療養費の年間上限の新設(2026年8月から)
高額療養費制度とは、1ヵ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。また、過去12ヵ月以内に3回以上限度額に達すると「多数回該当」が適用され、自己負担額が軽減されます。
ただし、毎月の医療費が限度額に達しなければ対象外となるため、長期間にわたって医療費を負担する方への支援が十分ではないという課題がありました。そこで2026年8月から、年間の自己負担上限額が新設されることになりました。
| 標準報酬月額 (年収目安) | 年間上限額 | |
|---|---|---|
| 2026年8月~ | 2027年8月~ | |
| 83万円~ (約1,160万円~) | 168万円 | 168万円 |
| 53~79万円 (約770~約1,160万円) | 111万円 | 111万円 |
| 28~50万円 (約370~約770万円) | 53万円 | 53万円 |
| 16~26万円 (約200~約370万円) | 53万円 | 53万円 |
| ~15万円 (~約200万円) | 41万円 | |
| 70歳未満 住民税非課税 | 29万円 | 29万円 |
| 70歳以上 住民税非課税 | 29万円 | 29万円 |
| 70歳以上 一定所得以下 | 18万円 | 18万円 |
たとえば年収500万円の場合、改正前の基準では1ヵ月の自己負担が80,100円を超えないと高額療養費の対象になりません。そのため、毎月医療費を6万円支払った場合、年間の自己負担は72万円でした。
年間上限が導入されると限度を超えて支払った分は払い戻しを受けられるため、年間の自己負担は53万円に抑えられます。
関連記事:【高額療養費制度改正】2026年8月から自己負担上限額は段階的に引き上げ
後期高齢者医療制度への金融所得反映(2030~2031年頃導入見込み)

現在、株の売却益や配当金などの金融所得は、確定申告をした場合のみ保険料や窓口負担割合の計算に反映されます。そのため、同額の利益を得ていても、確定申告をしていない人の方が保険料や窓口負担が低くなる場合がありました。
このような不公平感を解消するため、確定申告の有無にかかわらず後期高齢者医療制度の保険料や窓口負担割合の算定に金融所得を反映する方針が盛り込まれました。ただし、システム改修などに時間がかかるため、導入は2030~2031年頃になる見込みです。
妊娠・出産に対する支援の強化(2027年度以降実施見込み)
少子化対策や出産費用の高騰を背景に、2023年4月から出産育児一時金は8万円引き上げられ、50万円になりました。しかし、その後も出産費用は上昇しており、出産育児一時金の増額だけでは妊婦の負担軽減につながりにくいという課題がありました。
そこで、妊婦が安心して出産できる環境を整えるため、妊娠・出産にかかる費用の見える化や、妊婦健診・出産費用の負担軽減が進められることになりました。
これらの見直しは準備が整った医療機関から順次導入される予定で、本格的な実施は2027年度以降になると見込まれています。
妊娠・出産にかかる費用の見える化
現在の出産費用については、「退院の日まで自分がいくら支払うのか分からない」「必要のないサービスを含めた金額を提示された」など、不安や戸惑いの声があります。
そこで、医療機関に対し費用やサービス内容のわかりやすい提示が義務付けられることになりました。これにより、妊婦が内容を比較し、自分の希望に合ったサービスを納得して選択できるようになります。
妊婦検診や出産費用の負担軽減
妊婦健診は原則として健康保険の対象外で、医療機関や自治体の助成内容によっては自己負担が必要なケースもありました。このため、国が定める「望ましい基準内の検査」については標準額が設定され、自己負担をゼロにする方針が示されています。
また、出産の「標準的な費用」については、医療保険から医療機関へ直接支払われる仕組みが導入され、自己負担ゼロとなる予定です。さらに、手術などによる追加費用や入院準備費用への支援として、出産したすべての方に一定額が支給される見込みです。
医療保険制度の改正ポイントと家計への影響を確認しよう

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今回の医療保険制度改正では、OTC類似薬の追加負担や後期高齢者医療制度への金融所得反映といった負担増につながる変更が盛り込まれました。その一方で、妊娠・出産への支援強化や高額療養費の年間上限の新設など、必要な支援を充実させる施策も実施されます。
制度変更が家計に与える影響は、世代や所得、医療機関の利用状況などによって異なります。改正内容によって自身の負担がどのように変わるのかを確認するとともに、日頃から健康管理やセルフメディケーションを心がけ、医療費の負担軽減に取り組むことも大切です。
著者
阿東いつ子