【新社会人必見】給料から税金と社会保険はいくら引かれる?初任給の支払日も解説
著者
阿東いつ子

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さらに、住民税が2年目からかかるなど、家計を管理するうえで知っておくべきこともいくつかあります。
この記事では、給料から引かれる税金や社会保険料の内訳をわかりやすく解説するとともに、初任給の支払日や注意点についてもお伝えします。
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初任給はいつもらえる?

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初任給の振込日は、勤め先の「締め日」と「支払日」によって異なります。そのため、同じ4月入社の新社会人でも、初任給が4月中にもらえる場合と5月になる場合があります。
締め日と支払日は、雇用契約書(労働条件通知書)や就業規則に記載されています。わからない場合は、職場の経理・人事担当者、または直属の上司に確認しましょう。
なお、給料日が土日祝の場合、その前の営業日に支払われるのが一般的です。
初任給が4月に支払われるケース
給与の支給が「当月払い」の場合、4月中に初任給を受け取れます。ただし、支払い対象となる勤務期間は、給与体系や勤め先によって異なります。
たとえば「15日締め・当月25日払い」の場合、日給制では4月15日までに働いた日数分が4月25日に支払われます。一方月給制では、15日までの分が日割りで支給されるケースと、まだ働いていない15日以降の分も含め1ヵ月分支払われるケースがあります。
初任給が5月に支払われるケース
「翌月払い」の場合、初任給は5月に支給されます。たとえば「月末締め・翌月25日払い」では、4月に働いた分の給与は5月25日に支払われます。
翌月払いの場合、入社から初任給を受け取るまでに1ヵ月以上かかるため、生活費を確保しておくなどの備えが必要です。
給与額は「額面」と「手取り額」の違いに注意
入社時に提示される給与は会社から支払われる総額(額面)で、実際に受け取る金額(手取り額)とは異なります。
一定以上の収入がある人には、税金や社会保険料などの支払い義務があります。個人事業主やフリーランスは自分で計算して納めますが、会社員は会社が代わりに手続きをおこないます。これらの金額は給与からあらかじめ差し引かれて支給されるため(これを「天引き」といいます)、一般的に手取りは額面の7~8割程度になります。
なお、会社が所得税を毎月の給与やボーナスから天引きして国に納める仕組みを「源泉徴収」といいます。
給料から税金と社会保険料はどれくらい引かれる?
基本給28万円、非課税通勤手当1万円を例に、控除額や支給額をシミュレーションしてみましょう。
<モデルケース:2026年度 東京都協会けんぽ 標準報酬月額30万円>
保険料率などは勤め先により異なるため、額面は同じでも手取り額には多少の差が生じます。
社会保険料は入社した月から発生しますが、雇用保険を除き給与からの天引きは翌月からが一般的です。このため、初任給は健康保険料と子ども・子育て支援金が引かれない分手取りが多い場合があります。
また、実際の給与明細には、出勤や欠勤日数、総労働時間など勤怠についても記載されています。勤め先によっては住宅手当や資格手当などの手当が付きますが、今回は省略しています。
ここからは、給料から引かれる金額の計算方法について詳しく解説していきます。
社会保険料の計算方法
給与計算の負担を軽くするため、社会保険料の計算には「標準報酬月額」を用います。標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の幅で区分した「等級」に当てはめた金額で、モデルケースの場合は30万円(健康保険等:22等級、厚生年金:19等級)に該当します。
通勤手当は原則非課税ですが、社会保険料の「報酬」には含まれます。そのほか、家族手当や精勤手当などの各種手当が含まれる一方で、ボーナスやお祝い・お見舞金といった一時的に支払われる金額は含まれません(ボーナスには別途社会保険料が発生します)。
標準報酬月額は、通常その年の4~6月の3ヵ月間の給与をもとに毎年7月1日に決定します。しかし、新入社員は給与実績がないため、入社時の雇用契約によって決まります。
健康保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金の計算方法
健康保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金は、労働者と企業が半分ずつ出し合うため、次のように算出します。
標準報酬月額 × 保険料率 × 0.5
保険料率は加入する健康保険(企業の健康保険組合、協会けんぽ、共済組合など)によって異なり、健康保険料は10%前後、介護保険料は1.7%前後です。
モデルケースを2026年度 東京都協会けんぽ 標準報酬月額30万円にあてはめると、保険料は以下の金額になります。
| 保険料率 | 保険料 | |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 9.85% | 14,775円 |
| 介護保険料 | 1.62% | 0円 (40歳以上は2,430円) |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23% | 345円 |
介護保険料の加入は40歳からなので、一般的な新卒新入社員であれば支払いはありません。
子ども・子育て支援金は、2026年4月から始まった新しい制度です。保険料率は加入する健康保険にかかわらず0.23%ですが、2028年度まで段階的に引き上げられる予定です。
関連記事:「子ども・子育て支援金制度」とは?いつから?いくら払う?【独身税!?】
雇用保険料の計算方法
雇用保険料は以下の計算式で算出します。
賃金総額 × 雇用保険料率
雇用保険料は労働者だけでなく事業主も負担し、保険料率は業種によって次のように異なります。
| 労働者負担 | 事業主負担 | |
|---|---|---|
| 一般の事業 | 0.5% | 0.85% |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 0.6% | 0.95% |
| 建設の事業 | 0.6% | 1.05% |
出典:令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内|厚生労働省
勤め先が一般の事業の場合、賃金総額29万円の雇用保険料は1,450円です。なお、公務員は雇用保険の対象外のため保険料は引かれません。
所得税・住民税の計算方法
所得税や住民税は、月々ではなく1年間の給与総額から計算します。社会保険料とは異なり、交通費(非課税限度額内)は給与に含めません。
所得税の計算方法
所得税は、毎月の給与から仮の金額を源泉徴収し、年末に年末調整で過不足を精算します。
源泉徴収額は給与から社会保険料を引いた金額を給与所得の源泉徴収税額表にあてはめて算出します。モデルケースでは、社会保険料を引くと235,980円となるため、扶養家族がいない場合の源泉徴収額は5,570円です。
関連記事:【2025年版】年末調整の変更点とは?注意点も解説
住民税の計算方法
住民税には、所得に応じた「所得割」と一律でかかる「均等割」があります。どちらも前年の所得に対して課税されるため、新卒新入社員は翌年の5月まで住民税が引かれないのが一般的です。
所得割の税率は一律10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%、政令指定都市は道府県民税2%+市民税8%)です。均等割は自治体により異なりますが、おおむね5,000円程度(森林環境税1,000円を含む)です。
12月までの給与の合計がボーナス含め300万円だったとすると、翌年6月からは住民税が毎月1~1.2万円程度引かれることになります。
初任給の注意点
初任給は「思っていた金額と違う」と感じることが少なくありません。また、2ヵ月目以降に手取りが減って不安になることも。
そんなときは次のポイントを確認し、実際に異なる場合は上司や担当部署に相談しましょう。
初任給が思っていたより少ない場合がある
給与は税金や社会保険などが引かれて支給されるため、入社時に提示される額面より少なくなります。
また、給与の締め日と支払日によっては、初任給の金額が少ない場合があります。たとえば4月1日入社で「15日締め・当月25日払い」の場合、入社して初めての給与は半月分程度ということもあります。
2ヵ月目から社会保険料の負担が増える
雇用保険料以外の社会保険料は、入社初月は引かれず翌月から引かれるのが一般的です。保険料の負担が加わることで、2ヵ月目は初月より手取りが減ることがあります。
2年目から住民税が徴収される
住民税は前年の所得に対して課税されるため、基本的に入社1年目は徴収されません。翌年6月からは住民税の支払いが始まるため、給与が上がらなければ手取りは下がることになります。
給料が入ったら明細もチェックしよう

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給与の締め日や支払日は勤め先により異なり、初任給は4月に支払われる場合と5月になる場合があります。また、額面どおりに受け取れるわけではなく、社会保険料や税金が引かれたうえで手取り額が決まります。
さらに、初年度は住民税が引かれないため、昇給がなければ2年目以降のほうが手取りが下がる点にも注意が必要です。
給与明細には税金や社会保険などの控除額のほか、勤務実績や各種手当など重要な情報が記載されています。支給額だけでなく各項目も確認し、自分の給与の内訳を把握しておきましょう。
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阿東いつ子
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