子どもにスマホを持たせる前に決めたい「お金のルール」5選
著者
町田 要

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便利な反面、課金トラブルや使いすぎ、SNSを介した犯罪被害など、深刻なリスクもあります。本記事では、スマホデビュー前に親子で決めておきたい「お金に関するルール」を5つ解説します。
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スマホトラブルの実態:知らぬ間に数十万円の請求も

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子どものスマホ利用に関するトラブルで、保護者が最も頭を悩ませているもののひとつが「高額課金」です。ある県の消費生活センターへの相談事例では、子どものオンラインゲームへの課金トラブルの平均被害額は1件あたり約20万円、最高額では190万円に上ったと報告されています。
課金トラブルが起きる主な原因は、保護者のクレジットカード情報が端末に登録されたままになっているケースです。子どもが「ゲームのアイテムを買うだけ」のつもりで、保護者のカード情報を使って課金してしまう事例が後を絶ちません。
また、前述の調査ではスマホ依存(14.0%)やSNSトラブル(40%)も深刻な問題として挙げられています。こうした事態を防ぐためにも、スマホを渡す「前」に親子間で明確なルールを設けることが重要です。
保護者が感じるスマホトラブルへの不安(主な項目)
| トラブルの種類 | 保護者の不安割合 |
|---|---|
| SNSトラブル(いじめ・知らない人との接触など) | 40% |
| スマホ・ネット依存 | 29% |
| ゲーム課金 | 12% |
| アプリ課金 | 10% |
出典:ALL CONNECT「子どものスマホ利用実態調査【2025年】」
ルール①:課金は「事前申告制」にする
まず最初に決めたいのが、アプリや課金コンテンツにお金を使う際のルールです。「課金するときは必ず保護者に相談する」という事前申告制を取り入れましょう。
また、端末の設定面でも対策が必要です。iPhoneであれば「スクリーンタイム」、Androidであれば「ファミリーリンク」を活用することで、アプリ内課金を無効にしたり、購入の際にパスワードを求めるよう設定したりできます。
保護者のアカウントでログインしたまま端末を渡すことは、財布をそのまま子どもに渡すのと同じ状態になってしまいます。
- アプリのインストールや課金には必ず保護者の承認を得る
- 端末に登録されているクレジットカード情報は削除または無効化する
- 「ペアレンタルコントロール」機能を設定し、購入時にパスワード入力を必須にする
- 課金には「プリペイドカード」を使い、上限額を決める
ルール②:月々のスマホ代の「上限額」を子どもと共有する
子どもが「スマホを使うとお金がかかる」という金銭感覚を身につけることは非常に重要です。スマホデビューのタイミングで、毎月の通信費の目安を親子で確認しましょう。
一般的な格安SIMを使った場合、3GBのデータプランであれば月額1,000円前後で利用できます。一方、動画や課金を多用すれば月額が大幅に増えることもあります。「月に使えるのはXX円まで」という上限をあらかじめ設定しておくと、子ども自身が使い方を考えるきっかけになります。
| 利用パターン | 月額目安(格安SIM) | 注意点 |
|---|---|---|
| 通話・LINEのみ | 500~1,000円 | 通話のみなら最安プランで十分 |
| ネット・SNS利用 | 1,000~2,000円 | SNSのデータ消費に注意 |
| 動画視聴あり | 2,000~3,000円 | YouTube等は大容量消費 |
| ゲーム課金あり | 3,000円~(上限なし) | 課金は別途管理が必須 |
※格安SIM各社の料金プランをもとに作成(2025年時点)
ルール③:利用時間・場所の「見える化」ルールを設ける
スマホを渡した親の多くが悩む「使いすぎ」問題。ドコモモバイル社会研究所の調査(2024年)では、小学生高学年の約6割がスマホルールを破った経験があると回答しており、最も破られやすいルールが「利用時間」でした(出典:NTTドコモ モバイル社会研究所 )。
時間制限は「禁止」ではなく「見える化」から始めるのが効果的です。まずは1週間、使用時間を記録させてみましょう。iPhoneの「スクリーンタイム」やAndroidの「ファミリーリンク」を使えば、1日あたりの使用時間やアプリ別の利用状況をデータで確認できます。
- 食事中・就寝後(例:夜9時以降)は使用禁止
- 勉強中はリビングなど別の場所に置く
- 1日あたりの目安時間(例:平日1時間・休日2時間)を話し合いで決める
- 月に1度、使用状況を親子で一緒に確認する
ルール④:個人情報の取り扱いと「会わない」ルール
スマホを通じた犯罪被害、特にSNSで見知らぬ大人と知り合い、実際に会ってしまうケースが後を絶ちません。こども家庭庁の調査でも、「SNS等でのいじめやトラブル」は保護者が心配する項目の上位に入っています。
「ネット上で知り合った人には絶対に会わない」「本名・住所・学校名などの個人情報をSNSや掲示板に書かない」というルールは、命を守るための絶対的なルールとして位置づけましょう。また、友人同士での写真の共有にも注意が必要です。他人の写真を無断でSNSに投稿することは、プライバシーの侵害につながります。
- ネット上で知り合った人には絶対に会わない
- 氏名・学校・住所・電話番号などは絶対に書かない
- 自分や友人の写真をSNSに無断で投稿しない
- 怖い・嫌だと感じたことは必ず親に相談する
ルール⑤:フィルタリングサービスを必ず設定する
実は、18歳未満にスマートフォンを契約する際は、通信事業者によってフィルタリングサービスの利用が義務付けられています(青少年インターネット環境整備法)。ただし、設定するだけでなく、定期的に見直すことが重要です。
フィルタリングサービスは、有害サイトへのアクセスをブロックするだけでなく、利用時間の管理や位置情報の確認、特定アプリの使用制限など多様な機能があります。各キャリアが提供するサービスのほか、前述したGoogleファミリーリンク(Android)やAppleスクリーンタイム(iPhone)は無料で利用することができます。
また、キャリア提供のフィルタリングサービスの料金目安は月額220~550円程度です。「設定して終わり」ではなく、子どもの成長に合わせて設定内容を見直すことが大切です。
ルールは「禁止」ではなく「親子の約束」として

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今回ご紹介した5つのルールをまとめると以下のようになります。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| ① | 課金は「事前申告制」+ペアレンタルコントロール設定 |
| ② | 月々のスマホ代の上限を子どもと共有する |
| ③ | 利用時間・場所を「見える化」し親子で管理する |
| ④ | 個人情報保護と「ネットで知り合った人には会わない」ルールを徹底 |
| ⑤ | フィルタリングサービスを必ず設定し、定期的に見直す |
大切なのは、ルールを一方的に押しつけるのではなく、「なぜこのルールが必要なのか」を子どもに説明し、親子で納得して決めることです。子どものスマホ利用は、金銭感覚や自己管理能力を育てる機会にもなります。新生活のスタートに合わせて、ぜひ家族でスマホルールを話し合ってみてください。
著者
町田 要