
40代の平均貯金額は?必要額と老後の生活費の関係は?

40代の「貯金ゼロ」の割合は?平均額は?
日本銀行が事務局を務める金融広報中央委員会は「家計の金融行動に関する世論調査」を毎年公表しており、その中で世代別の金融資産の平均額を報告しています。
令和5年(2023年)調査結果によると、40代の「単身世帯」と「2人以上世帯」における金融資産保有額の割合および平均額と中央値は、以下の通りです。
貯蓄金額 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
金融資産非保有 | 40.4% | 26.8% |
100万円未満 | 11.1% | 9.6% |
100~200万円 | 5.2% | 8.9% |
200~300万円 | 4.0% | 4.9% |
300~400万円 | 3.7% | 5.7% |
400~500万円 | 2.5% | 3.8% |
500~700万円 | 4.6% | 7.4% |
700~1000万円 | 7.7% | 5.6% |
1000~1500万円 | 6.2% | 7.4% |
1500~2000万円 | 2.2% | 3.5% |
2000~3000万円 | 4.3% | 5.3% |
3000万円以上 | 4.3% | 6.5% |
無回答 | 3.7% | 4.5% |
平均 | 559万円 | 889万円 |
中央値 | 47万円 | 220万円 |
40代の貯金ゼロの割合は、2人以上世帯では26.8%、単身世帯では40.4%となっており、金融資産をまったく保有していない世帯が少なくないことが分かります。
金融資産の平均保有額は、2人以上世帯が889万円、単身世帯が559万円で、より実態に近い中央値で比べると、単身世帯が47万円、2人以上世帯は220万円という結果でした。
40代の理想の貯金額はどのように算出する?
40代で必要な貯金額はいくらでしょうか。結論からいえば、その金額は老後にどのような生活を送りたいか、現在の年収がどのくらいかによって大きく変わります。
老後にゆとりある生活を送りたければ、40代の時点でより多くの貯金が必要になります。年収が高い仕事に就いていて、これから仕事を失うリスクが低い職種であれば、40代で貯金が少なくても50代で挽回できるかもしれません。
そのため、40代でいくらお金を貯めておくべきか、個別で試算する必要があります。その試算のために必要な情報は、老後の生活に必要なお金に関するデータです。
公益財団法人 生命保険文化センターが行ったアンケート調査(2022年度版)によると、夫婦2人で暮らしていく上で最低限必要だと思う金額と、ゆとりある生活のために必要な金額は、それぞれ以下の通りです。
老後の最低日常生活費:平均月額23.1万円(年間約277万円) ゆとりある老後生活費:平均月額37.9万円(年間約455万円) |
この金額を参考にして、あなたの老後に必要な金額を算出します。そこから逆算して貯金・資産形成の計画を立て、目指す貯蓄額・資産額を決めるのが一般的な流れです。
参考:生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」
貯金・資産を増やすためにすべきことは?
目標額をいくらに設定するかは人それぞれですが、貯金や資産を増やすためにすべきことは、ほとんどの人で共通です。具体的には以下の3つが挙げられます。
- 節約に努める
- 収入を上げる
- 資産運用を始める
節約に努めれば支出が減るため、貯金が増えやすくなります。収入を上げる方法もありますが、会社勤めの場合は収入アップについては雇用主の裁量が影響する部分が大きいのではないでしょうか。どんなに頑張っても、収入が上がらないことがあるということです。
そう考えると、自ら運用方法を決める「資産運用」が有力な選択肢になります。
資産運用でおすすめの手法は?
資産運用にはさまざまな手法がありますが、手軽に取り組めるものとしては「株式投資」や「投資信託」などが挙げられます。現在はインターネットで24時間注文ができ、仕事をしながらでも続けやすくなっています。
株式投資や投資信託を始める際に「複利効果」に注目すると、早い段階から長期で資産を運用するメリットを理解できます。
複利効果とは?
複利効果とは、保有する金融商品の価格が右肩上がりの状況において、利息や配当金、分配金といった利益を再投資すると、資産が増えるスピードが加速する効果のことです。
例えば40歳の時に100万円を投資し、利回り5%の配当金や分配金を受け取って再投資した場合、65歳の時にいくらになっているでしょうか。以下の表は、その推移を示しています。
年齢 | 資産額の推移 |
---|---|
40歳 | 100万円 |
45歳 | 約128万円 |
50歳 | 約163万円 |
55歳 | 約208万円 |
60歳 | 約265万円 |
65歳 | 約339万円 |
40歳の時に投資した100万円が、65歳の時には3倍以上に増えています。さらに投資先の資産価値が上昇すると、資産額はより大きくなっていることでしょう。
ただし、実際の資産運用は必ずしも右肩上がりで推移するわけではなく、一時的に資産が減ることもあります。しかし、上手く資産運用できれば、数年単位で資産を大きく増やすことも可能です。
資産運用で老後の生活の安心度を高めよう
40代で貯金がゼロもしくは100万円以下という方も少なくありませんが、安心して老後を迎えるためには早めに資金の準備を始めることが大切です。
貯金するだけでなく資産運用を行うことで、資産を大きく増やせる可能性が高まります。もちろん資産運用にはリスクがあるため、資産が減る可能性もあります。しかし、リスクを抑えつつ資産を増やすことは不可能ではありません。
資産運用は正しい知識を持ち、早く始めることで、結果は大きく変わります。まだ資産運用を始めていない人は、この機会に検討してはいかがでしょうか。