高校の「家庭科」で債券や投資信託を学ぶ?必修化された金融教育の内容を解説
著者
町田 要

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この記事では、高校家庭科の金融教育で具体的に何を学ぶのか、なぜ必修化されたのかをわかりやすく解説します。
#教育 #金融 #資産形成 #投資信託
なぜ高校で金融教育が必修化されたのか?

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高校での金融教育必修化には、大きく3つの背景があります。
①少子高齢化による老後資金問題
少子高齢化の進行により、公的年金だけで老後を支えるのが困難との指摘が出てきています。将来を見据えた自助努力による資産形成が求められる時代となり、若いうちから「お金を育てる」知識を身につける必要性が高まりました。
②成人年齢の18歳への引き下げ
2022年4月の民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、クレジットカードの作成や銀行口座の開設など、さまざまな金融契約を本人の意思だけで結べるようになりました。
一方で、これまで適用されていた「未成年者取消権」が使えなくなるため、知識のないまま契約トラブルや詐欺被害に遭うリスクも高まっています。
③日本の「貯蓄偏重」からの脱却
日本銀行の統計によると、日本の家計が持つ金融資産のうち現金・預金が占める割合は5割近く、投資信託や株式等への資産配分は欧米に比べて低い水準となっています。
国として「貯蓄から投資へ」の流れを促進するためにも、学校段階からの金融リテラシー教育が重視されるようになりました。
高校家庭科の金融教育、具体的な学習内容は?
高校家庭科(家庭基礎・家庭総合)では、金融庁が作成した「金融経済教育指導教材」をもとに、以下のテーマを学びます。
| テーマ | 主な学習内容 |
|---|---|
| 家計管理・ライフプランニング | 収支バランスの管理、給与明細の読み方、ライフイベントに備えた資金計画 |
| 貯める・増やす(資産形成) | 預貯金・株式・債券・投資信託等の特徴とリスク、長期・分散・積立投資の考え方 |
| 備える(保険) | 生命保険・損害保険の種類と役割、公的保険との違い |
| 借りる(ローン) | クレジットカード・ローンの仕組みと金利、借りすぎへの注意 |
| 金融トラブル | 詐欺・マルチ商法の手口、消費者ホットライン(188番)への相談方法 |
(出典:金融庁)
なかでも注目されるのが「資産形成」の視点です。預貯金・民間保険・株式・債券・投資信託といった主要な金融商品のメリット・デメリットを学び、「収益性・安全性・流動性」の観点から商品を比較・選択する力を養います。
また、給与明細を教材にした家計シミュレーションや、住宅ローンを含めたライフイベントの資金計画まで、実生活に直結した実践的な内容となっています。
投資信託はどのように教わる?
金融庁が高校生向けに公開している授業動画では、投資信託の特徴として次の4点が解説されています。
- 運用を専門家に任せることができる
- 多様な商品から選択できる
- 少額から購入できる
- 分散投資がしやすい
その一方で、購入する投資信託によって収益性・安全性・流動性が異なるため、「運用対象をよく確認し、特徴を把握することが必要」とリスクについてもしっかり学びます。「投資は必ず儲かる」という誤解を与えず、バランスのとれた知識を身につけさせることが重視されています。
長期・分散・積立投資の考え方も学ぶ
新NISAやiDeCoといった税制優遇制度は直接的には授業の対象ではありませんが、「時間を味方につける」長期投資や、リスクを分散させる積立投資の基本的な考え方を学ぶことで、将来これらの制度を活用するための土台が築かれます。
金融広報中央委員会は、学校に金融広報アドバイザーを派遣して金融リテラシー講座を開催しており、受講した生徒からは「人生に直接役立つことを学べた」「時間を味方につけるという観点で、今聞けてよかった」といった声が寄せられているそうです。
大人も知っておくべき金融トラブル対策

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授業では金融商品への投資だけでなく、詐欺やマルチ商法などの金融トラブルへの対処法も学びます。特に注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 「絶対に儲かる」「元本保証」などの甘い言葉には要注意
- 契約前に内容を十分確認し、不明点は必ず質問する
- トラブルにあったら消費者ホットライン(188番)に相談する
保護者世代もこれらの基本的な知識を把握しておくことで、子どもから相談を受けた際に適切なアドバイスができるでしょう。
子どもと一緒に学びなおしも
2022年度から始まった高校家庭科の金融教育では、家計管理やライフプランニングをはじめ、預貯金・保険・株式・債券・投資信託などの金融商品の特徴、さらには金融トラブルへの対処法まで幅広く学びます。
若いうちから金融リテラシーを身につけることは、老後の資産形成や予期せぬリスクへの備えに直結します。子どもたちが学ぶ内容を保護者世代も一緒に学び直すことで、家族全体でお金に向き合う第一歩にしてみてはいかがでしょうか。
著者
町田 要