【2026年度税制改正大綱】年収の壁や住宅ローン減税など改正ポイントをやさしく解説

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4210215
この記事では、この与党税制改正大綱の中から、特に日常生活に関わりの深いポイントを中心にわかりやすくお伝えします。
#年収の壁 #住宅ローン #NISA #家計
税制改正大綱とは?

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3781435
「税制改正大綱」とは、来年度以降の新たな税制の内容や検討事項をまとめた文章です。令和8年度版は自民党と日本維新の会による連立政権として初の税制改正大綱で、物価高への対応のほか「税制の公平性確保」「資産形成・資産移転の在り方の見直し」が大きな柱となっています。
年収の壁の引き上げや、住宅ローン減税の見直し、NISA(少額投資非課税制度)拡充など、家計に関わる内容も多く含まれているので、制度改正のポイントを押さえておきましょう。
ここからは、「令和8年度与党税制改正大綱」のうち家計に関わりの深い内容を解説していきます。
【減税】年収の壁は160万円から178万円に
2026年分の所得税から、基礎控除が58万円から62万円、給与所得控除の最低保証額が65万円から69万円に引き上げられ、基礎控除の特例も最大で32万円上乗せされる見込みです。これにより「年収の壁」のうち所得税がかかり始める年収ラインは、160万円から178万円へと引き上げられることになります。
基礎控除の特例の上乗せは年収665万円以下の人が対象で、中低所得層に特に手厚い内容となっています。この見直しで、納税者のおよそ8割が恩恵を受ける見通しです。
さらに、物価上昇は今後も続くことが見込まれることから、物価の動きに連動して基礎控除などを見直す仕組みも検討されます。
【減税】住宅ローン減税は延長+拡充
物価高や建築費の上昇に加えて金利も上昇局面にあることから、住宅取得のハードルはこれまで以上に高まっています。こうした状況を踏まえ、2026年度税制改正大綱には住宅ローン減税の延長と対象の緩和が盛り込まれました。
住宅ローン減税は2022年度の税制改正大綱で4年間の延長が決まっていましたが、今回の改正で適用期限が2030年12月31日まで再延長されます。また、減税の対象となる住宅の床面積要件は従来の50㎡以上から原則40㎡以上へと緩和され、中古住宅にも対象が広がります。
さらに、既存の省エネ住宅については借入限度額を引き上げ、控除期間が13年間になります。一方、災害レッドゾーンでの新築住宅は適用対象外とし、立地要件の運用は厳格化されます。
【減税】NISAの年齢制限撤廃
NISAの加入年齢は現在18歳以上ですが、口座開設率が低い若年層の利用を促すため、つみたて投資枠の対象年齢を0歳まで引き下げる方針が示されました。早ければ2027年からの開始が想定されています。
かつては、子ども向け制度として年間投資額80万円まで非課税となる「ジュニアNISA」がありましたが、利用者は全NISA口座の1~5%程度にとどまり、2023年末に廃止されました。18歳まで原則引き出しができないという制限が使いにくさにつながり、利用者が増えなかったという指摘があります。
この反省を踏まえ、今回の見直しでは引き出し可能年齢は12歳まで引き下げられ、12歳以降の引き出しについては子ども本人の同意が必要となる見込みです。
なお、17歳までの年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円とし、18歳になると現行のNISA制度へ移行する方針です。
【減税】自動車税の環境性能割の廃止
アメリカの関税措置による影響を緩和するとともに、自動車取得時の負担を軽減するため、自動車税の環境性能割は2026年3月31日で廃止されることになりました。
環境性能割は、2019年に「自動車取得税」に代わって導入された地方税で、環境負荷の少ない車の普及を促すことを目的としています。新車・中古車を問わず自動車を取得した際に課税され、燃費性能などが高いほど税率が低く設定されてきました。そのため、制度の廃止後は、ガソリン車など燃費基準を満たしていない車種ほど取得時の実質的な税負担が軽くなることになります。
また、電気自動車(EV)などの普及を後押しするため、2026年4月末で期限を迎えるエコカー減税は燃費基準を引き上げたうえで2年間延長されます。
【増税】防衛力強化のための所得税増税
防衛力強化のための安定した財源を確保するため、2027年1月から所得税額の1%に相当する新たな税が課されることになりました。ただし、所得税に上乗せされている復興特別所得税の税率が現在の2.1%から1%引き下げられるため、単年度で見た税負担は変わらない仕組みです。
復興特別所得税は、東日本大震災からの復興財源を確保する目的で所得税に上乗せされている税金です。当初は2025年までの期限付きで導入されましたが、復興事業の資金需要が続いていることから2037年まで延長されており、今回の税率引き下げにより2047年まで再延長されることになります。
2026年度から税制は大きく変わる

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/33983596
「積極財政」を掲げる高市政権のもと、2026年度税制改正大綱には住宅ローン減税の拡充やNISAの年齢制限撤廃、自動車取得時の負担軽減など、家計にとって前向きな減税策が多く盛り込まれました。
一方で、これらの施策を支える財源は国会での審議に委ねられており、防衛費や社会保障費の増加とどう向き合うかが課題となります。私たち自身も制度の変更点を知り、暮らしや家計にどのような影響があるか注目していきましょう。