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2025/12/05

紙の保険証がついに終了|保健証は期限後も使える?マイナ保険証のメリットは?

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/33761093

2025年12月2日で、すべての人の紙の健康保険証が期限切れになりました。今後はマイナンバーカード(マイナ保険証)または「資格確認書」での受診が基本になります。「マイナ保険証を使うのは不安」「手持ちの保険証は期限が切れたら使えない?」など心配や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、期限が切れた保険証はいつまで使えるか、資格確認書が届く人と届かない人、マイナ保険証のメリットなどをわかりやすくお伝えします。

#マイナンバーカード #マイナ保険証 #医療費 #健康保険証

2025年12月2日ですべての人の健康保険証が期限切れに

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/31153195

健康保険証の新規発行は、2024年12月2日で終了しました。さらに、後期高齢者医療制度や国民健康保険の加入者などの保険証は、2025年8月以降、順次有効期限を迎えました。

次の健康保険制度に加入している方の保険証についても、2025年12月2日で有効期限切れとなっています。

  • 協会けんぽ(中小企業に勤める人など)
  • 健康保険組合(大企業に勤める人など)
  • 共済組合(公務員など)

資格情報の確認ができれば、2026年までは有効期限切れの保険証でも保険診療を受けられます。しかし、今後はマイナ保険証または「資格確認証」の利用が基本となります。

資格確認証とは?

出典:資格確認書について|厚生労働省

資格確認書とは、保険資格を証明するために交付される書類です。形式は、はがきサイズやカード型など発行する保険者によって異なります。

マイナ保険証を保有していない人や自分自身でマイナ保健証を使うのが困難な人も、資格確認書を提示することでこれまでと同様に保険診療を受けられます。

資格確認書の受け取りは、マイナ保険証の保有状況などによって申請が必要な場合と不要な場合があります。

申請しなくても資格確認証が届く人

次に当てはまる人は、健康保険証の有効期限内に資格確認証が自動的に届きます。

  • マイナンバーカードを取得していない人
  • マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証利用登録していない人
  • マイナ保険証の利用登録を解除した人
  • マイナンバーカードの電子証明書が有効期限切れの人
  • 後期高齢者医療制度に加入または、新たに加入される人

このうち後期高齢者医療制度に加入する人については、2026年7月末までの暫定措置としてマイナ保険証登録の有無にかかわらず資格確認証が届きます。

上記に該当するにもかかわらず資格確認証が届いていないという方は、加入している保険者(健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険など)にお問い合わせください。

資格確認書取得に申請が必要な人

次に当てはまる方は、加入している保険者から交付申請書を入手し、必要事項を記入して提出することで資格確認書を取得できます。

  • マイナンバーカードでの受診等が困難な配慮が必要な人(高齢の方、障害をお持ちの方など)
  • マイナンバーカードを紛失・更新中の人

このうちマイナンバーカードの受診が困難な人は、いちど申請すれば更新時にも新しい資格確認証が自動的に届きます。

資格確認証の有効期限は?

資格確認証の有効期限は、保険者が最長5年の範囲内で決定します。基本的に期限が切れるたびに更新手続きが必要なので、資格確認証が届いたら有効期限を確認しましょう。

マイナ保険証なら更新手続きが不要で、退職や転職などで保険者が変更になった場合も引き続きマイナ保険証で受診できます。

マイナ保険証のメリットは?

マイナ保険証を使うと医療機関の窓口での受付がスムーズになるほか、次のようなメリットがあります。

過去の診療・薬・健診の結果を確認できる

マイナポータルを利用すれば、これまでの診療や薬の情報、特定健診の結果などを自分で確認できます。さらに、本人が情報提供に同意すれば、これらの情報を医師や薬剤師などの医療関係者と共有することも可能です。

これにより、正確なデータに基づく診療や処方が受けられるほか、重複投薬や飲み合わせてはいけない薬の処方を未然に防げます。また、旅行先や引っ越し先で初めての医療機関・薬局を利用する際にも安心です。

加えて、2025年10月からは救急現場でも活用され、搬送中の適切な応急処置や搬送先の医療機関選定にも役立てられています。

高額療養費制度の手続きが原則不要になる

高額療養費制度とは、ひと月の医療機関や薬局での支払い額が上限を超えた場合に超えた分が支給される制度です。これまでは一時的な立て替え払いが必要で、窓口負担を上限までに抑えるには「限度額適用認定証」の申請が必要でした。

マイナ保険証を利用すると、限度額適用認定証がなくても上限を超える額の一時的な支払いが不要になります。これにより、急なケガや病気で入院や手術が必要になった場合も、安心して医療を受けられます。

健康保険証の切り替えがスムーズになる

就職・転職や扶養の変更などで健康保険が切り替わる場合、従来は使用していた保険証の返納と新しい保険証の発行が必要でした。交付まで時間がかかり、その間は窓口でいったん10割の支払いが必要になるケースもありました。
マイナ保険証であれば、健康保険の加入手続きが済んだ時点で返納や新規発行の手続きが不要になります。切り替え期間が短縮され、途切れることなく保険医療を受けられます。

医療費控除の書類作成が楽になる

マイナポータルとe-Taxを連携すると、医療費控除に利用できる「医療費通知情報」をデータで取得できます。領収書の保管が不要になり、確定申告時の入力作業も軽減できます。

マイナ保険証の登録方法

マイナカードを保険証として利用するには、次の3つのいずれかの方法で登録します。

  • 顔認証付きカードリーダー
  • マイナポータル
  • セブン銀行ATM

操作に不安がある場合は、医療機関などに設置された顔認証付きカードリーダーを利用すると安心です。わからない点があれば、医療機関のスタッフがサポートしてくれます。

なお、詳しい登録方法は『マイナポータル』のホームページから確認できます。

マイナ保険証の使い方

医療機関などでマイナ保険証を利用するには、次の順序で操作します。

  1. マイナンバーカードをカードリーダーに置く
  2. 顔認証または暗証番号(マイナンバーカード申請時に設定した4桁の数字)で本人確認する
  3. 診察や薬、健診情報の利用について「同意する」または「同意しない」を選ぶ
  4. カードを取って受付終了

マイナ保険証の注意点

マイナンバーカードには、カード本体の有効期限と電子証明書の有効期限があります。カードの有効期限は18歳以上の場合発行から10年間の誕生日までですが、電子証明書の有効期限は年齢を問わず発行から5年後の誕生日までです。

電子証明書の更新は、お住まいの市区町村窓口で、有効期限満了日の3ヵ月前の翌日から手続きできます。

電子証明書の有効期限が切れても3か月間は保険証として利用可能ですが、この間は保険資格情報のみが提供され、診療情報・薬剤情報等の提供はできません。また、3ヵ月を過ぎると保険証としても使えなくなるため、早めの更新がおすすめです。

なお、電子証明書の有効期限の3ヵ月前には更新を案内する有効期限通知書が届きます。さらに、有効期限の前後3ヵ月間には医療機関・薬局でマイナ保険証を利用する際にカードリーダーで更新アラートが表示されるので、これらを目安に忘れず更新しましょう。

マイナ保険証には多くのメリットがある

マイナ保険証を登録していない人には資格確認証が自動的に届き、提示によって今後も保険診療を受けられます。

ただし、マイナ保険証を使うと「過去の診療・薬・健診の結果を確認できる」「高額療養費制度の手続きが原則不要」「医療費控除の書類作成が楽になる」など多くのメリットがあります。マイナ保険証の登録をしていない方や登録はしていても活用していない方は、従来の保険証の期限が切れるこの機会に、マイナ保険証への切り替えを検討してはいかがでしょうか。