高市首相就任で株価はどれくらい上がった?「高市トレード」期待の分野も解説

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/33883772
この記事では、高市首相就任前後の株価の推移を時系列でまとめるとともに、株価が上昇した理由や注目される分野をわかりやすく解説します。
#株価#高市政権 #経済 #市場
高市首相就任で株価はどのくらい上がった?
高市氏が自民党総裁に選出されてからの約1ヵ月間、新政権への期待から日経平均株価は右肩上がりに上昇し、11月4日には52,636円の史上最高値を更新しました。
<日経平均株価(2025年9月25日~11月21日)>

引用:SBI証券
高市首相就任までの経緯と株価
10月4日の自民党総裁選で高市氏が選ばれると、週明けの株価は大きく上昇しました。しかし、10日に公明党が連立を離脱。高市総裁が首相に就任する可能性が低くなったことで、連休明けとなる14日の日経平均株価は1,000円を超えて下落しました。
その後、15日に高市総裁が与党との協議を進めていると伝わると株価は反発。さらに、日本維新の会と連立協議に入ることが明らかになり、16日も株価は上昇しました。
維新との連立合意によって高市氏の首相就任が確実になると、市場はさらに強い反応を示しました。20日の終値は前日比1,603円高の49,185円と大幅に上昇。首相指名選挙がおこなわれた翌21日には49,316円と、連続で史上最高値を更新しました。
高市首相就任後も株価は上昇
首相就任直後の株価は米中対立やアメリカの株安などの影響で下落しましたが、政策への期待などから週明けから株価は上昇し、史上初の5万円を突破。11月4日には52,636円と最高値を更新しました。
しかし、その後は利益確定の動きや日中関係の悪化により、株価は再び5万円を下回る展開となっておりました。
高市首相就任で株価が上がった理由
石破首相の退陣に伴う自民党総裁選では、高市氏が小泉進次郎前経済安全保障担当相(当時は農林水産相)との決選投票を制して新総裁に選ばれました。総裁選前は小泉氏が優勢とみられていたため、高市氏の勝利は“サプライズ”として受け止められ、市場もその結果に敏感に反応しました。
高市氏は、安倍晋三元首相の「アベノミクス」を引き継ぐ立場を明確にしており、財政支出や減税による景気刺激を重視しつつ、利上げには慎重という姿勢を示してきました。こうした方針から「高市氏が勝てば株高になるのでは」と総裁選前から期待する声があり、実際に就任直後には日経平均株価が史上初となる5万円を突破しました。
高市トレードで注目が集まる分野
「高市トレード」で注目されている分野には、高市氏が掲げる「サナエノミクス」の政策が大きく関わっています。サナエノミクスは、安倍元首相の「アベノミクス」を継承・発展させたもので、積極財政と金融緩和を軸に日本経済の成長を後押ししようとするものです。
高市氏の政策は、主に次の3つの柱で構成されています。
①安全保障の強化
防衛力の増強、サイバーセキュリティ対策、国産通信機器の導入を進める方針です。高市氏は経済安全保障担当大臣だった時期に国産セキュリティ製品の導入を強く推し進めており、サイバー対策は特に重視されています。
②先端技術の推進
半導体やAI、核融合発電、量子コンピューター、宇宙産業といった成長分野への投資を拡大する方針です。日本が世界的な技術競争に遅れないよう、国を挙げた支援が期待されています。
③経済安全保障の強化
レアアース、蓄電池、半導体など、重要な物資の国産化やサプライチェーンの安定化を進めることで、海外依存のリスクを減らしていく考えです。
こうした分野に該当する企業は、国の予算や補助金、税制優遇を受けられる可能性が高く、中長期的な成長が期待されます。そのため、投資家の間では「高市銘柄」として関連する株式に注目が集まっています。
今後の株価は経済政策の成果に期待

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22417829
高市首相の就任を受けて市場では政策への期待が高まり、日経平均株価は最高値を更新しました。一方で、トランプ前大統領による関税強化の動きや対中関係の不透明感、円安への警戒など、気がかりな点も少なくありません。
今後は、高市政権の政策がどのように実行されるかに注目が集まります。実際の成果が問われる段階に入ったことで、市場も政策の進展や実行スピードをより慎重に見極めていくことになりそうです。