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2025/11/28

暫定税率廃止でガソリンはいくら安くなる?値下げのスケジュールも解説

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/33828133

物価高対策のひとつとして、長年延長され続けてきた「ガソリン暫定税率」の廃止が決定しました。廃止によってガソリンは1リットルあたり25.1円安くなり、家計への負担は1世帯で年間5,000円程度軽減される見込みです。

この記事では、ガソリン暫定税率の歴史を振り返るとともに、ガソリン値下げのスケジュールやガソリンを安く入れるポイントなどをわかりやすく説明します。

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ガソリン暫定税率とは?

「暫定税率」とはガソリン税に暫定的に上乗せされた税金で、現在は1リットルあたり25.1円が課されています。

まずは、暫定税率の歴史を振り返ってみましょう。

1974年|暫定税率が導入される

ガソリン暫定税率は、オイルショックで不足した道路整備財源を補うために「2年間の臨時措置」として導入されました。

その後、「暫定」といいながらも繰り返し延長され続けています。さらに、税率は導入以降2回引き上げられ、1979年からは1リットルあたり25.1円となっています。

2008年|暫定税率が一時停止される

当時は2007年の参議院選挙の結果、衆議院は自民・公明の与党、参議院は民主党を中心とする野党と、多数派が異なるいわゆる「ねじれ国会」になっていました。

政府(自民党)は暫定税率の延長を目指しましたが、参議院で多数派だった野党が強く反対。その結果2008年3月末で暫定税率はいったん失効し、4月のガソリン価格は大きく下がりました。

しかし、1ヵ月後の4月30日に衆議院で与党が法案を再可決し、5月1日から暫定税率が復活。ガソリン価格は大幅に値上がりしました。

2009年|ガソリン税が一般財源化する

ガソリン税は「道路特定財源」として道路整備関連に用途が限定されていましたが、2009年に道路特定財源制度が廃止され、税収は自由度の高い「一般財源」となりました。

これにより暫定税率を含むガソリン税は、道路整備に限らずさまざまな用途に使われるようになります。

2010年|「当分の間税率」に名称変更される

2009年の衆院選で民主党は「暫定税率廃止」を掲げて大勝しましたが、歳出削減がうまくいかず完全な廃止は難しい状況となりました。そのため、名前としての「暫定税率」は廃止してガソリン税率(1リットルあたり53.8円)は当分の間そのまま維持するという折衷案をとり、名称も「当分の間税率」へと変更されました。

しかし、「当分の間税率」という名称は定着せず、現在でも慣習的に「暫定税率」や「旧暫定税率」と呼ばれています。

2010年|トリガー条項が設定・凍結

ガソリン価格の急騰時に市民の負担を軽くするため、次の条件をトリガーとして発動する「トリガー条項」が設定されました。

全国平均価格が3ヵ月連続で1リットルあたり160円を超えると、上乗せ分(25.1円)の課税を停止して税率を下げる
発動後3ヵ月連続で1リットルあたり130円を下回ると、 上乗せ分の課税を再開する

しかし、2011年の東日本大震災で財源が必要になり、発動は凍結。トリガー条項は現在まで一度も使われていません。

2022年|ガソリン補助金制度が導入される

原油価格の上昇や円安の影響でガソリン価格が急騰したことを受け、政府は石油元売り会社への補助金制度を開始しました。当初は「1リットルあたり170円を超えた分に対して最大5円」を上限としていましたが、その後もガソリン価格の上昇が続いたことから補助額は拡大し、2022年後半には最大35円まで引き上げられました。

2023年以降は段階的に縮小しつつも制度自体は延長され、2025年11月現在まで続いています。

2025年|暫定税率の廃止が決定

物価上昇を受けてガソリン代値下げ要望の声も高まり、暫定税率廃止の動きは活発になりました。これにより、長年続いてきた暫定税率は次のような経緯で廃止が決定しました。

2024年12月 自民・公明・国民民主の3党が暫定税率の廃止で合意
2025年6月 立憲民主党・維新・国民民主・共産など野党7党が共同で廃止法案を提出
2025年10月 自民党と立憲民主党など与野党6党が暫定税率の12月31日廃止で合意

ガソリン価格値下げのスケジュール

暫定税率の廃止は12月31日ですが、急激な価格変動を防ぐため、暫定税率と同水準になるまで補助金を段階的に増やすことになりました。11月13日と11月27日にはそれぞれ5円ずつプラスされ、12月11日には暫定税率と同じ25.1円まで拡充されます。

補助金によるガソリン価格値下がりの仕組み

出典:燃料油価格定額引下げ措置

ガソリン補助金は、原油を輸入・精製してガソリンや灯油などの石油製品を製造・販売する石油元売り会社に支給されます。石油元売り会社はこの補助金を原資にして、ガソリンスタンドなどへの卸売価格を引き下げます。さらに、卸売価格が安くなることで消費者に販売する小売価格も値下がりします。

このような仕組みでガソリン価格は安くなるため、補助金が増えても直ちにガソリン価格が安くなるわけではありません。ガソリンスタンドは安くなる前の在庫を一定程度持っているため、小売価格が値下がりするまでには数日から1週間程度かかるとみられています。

軽油の暫定税率も廃止される

軽油にも「軽油引取税」という税金があり、本来は15円のところ暫定税率が17.1円上乗せされています。この軽油の暫定税率も、2026年4月1日に廃止されることが決定しています。

軽油もガソリンと同様に補助金が支給されており、暫定税率廃止による急激な価格変動を抑えるために次のスケジュールで補助金が拡充されます。

11月13日から 10円 → 15円
11月27日から 15円 → 17.1円(暫定税率と同水準)

軽油はトラックなど運送業で多く使われているため、暫定税率廃止は物流コストの低下につながり、物価を抑える効果が期待されます。

なお、重油や灯油は1リットルあたり5円、航空機燃料は1リットルあたり4円の定額補助が継続されます。

暫定税率廃止に向けてガソリンを安く入れるポイント

ガソリンの補助金は、11月13日から2週間ごとに5円ずつ拡充されます。値下げのスケジュールを把握し、値下げ前に給油が必要な場合は満タンではなく少なめに入れるのがおすすめです。

また、ガソリンの小売価格が実際に下がるタイミングは、店舗ごとの方針や在庫状況で異なります。すぐに値下げされる店もあれば、価格の反映まで時間がかかる店もあるため、日頃から近所のスタンドの価格表示をチェックしておくと良いでしょう。

暫定税率廃止でガソリンは11月中旬から段階的に安くなる

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/24195412

ガソリンの暫定税率は2025年12月31日に廃止されますが、石油元売り会社への補助金は11月13日から増額され、12月11日には廃止後と同じ水準まで拡充されます。これにより、ガソリンの小売価格は11月中旬から12月中旬にかけて段階的に安くなる見込みです。

また、値下げ前は給油を控える人が増えるため、値下げ直後はガソリンスタンドが混み合う可能性があります。ただし、少しでも安く入れようと給油を先延ばしにしすぎると、ガス欠のリスクもあるため注意が必要です。

暫定税率廃止の恩恵を最大限に受けるために、無理のない範囲で計画的に給油しましょう。