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2025/09/26

2025年度最低賃金はいくら?いつから適用?都道府県別の金額や対象となる賃金を解説

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/29192575

2025年度の最低賃金が、9月5日までにすべての都道府県で出そろいました。物価の高騰に対応するため今年は全国平均で63円の引き上げが目安とされていましたが、実際には目安を上回る平均66円の引き上げとなりました。

本記事では、都道府県ごとの最低賃金額や、最低賃金が適用される賃金の範囲について分かりやすく解説します。
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2025年度の都道府県別最低賃金はいくらになる?

各都道府県の2025年度最低賃金改定額は、次のように決定しました。

都道府県2025年度
改定額
(円)
2024年度
最低賃金
(円)
引上げ額
(円)
発効予定年月日
北海道1,0751,010652025年10月4日
青森県1,029953762025年11月21日
岩手県1,031952792025年12月1日
宮城県1,038973652025年10月4日
秋田県1,031951802026年3月31日
山形県1,032955782025年12月23日
福島県1,033955782026年1月1日
茨城県1,0741,005692025年10月12日
栃木県1,0681,004642025年10月1日
群馬県1,063985782026年3月1日
埼玉県1,1411,078632025年11月1日
千葉県1,1401,076642025年10月3日
東京都1,2261,163632025年10月3日
神奈川県1,2251,162632025年10月4日
新潟県1,050985652025年10月2日
富山県1,062998642025年10月12日
石川県1,054984702025年10月8日
福井県1,053984692025年10月8日
山梨県1,052988642025年12月1日
長野県1,061998632025年10月3日
岐阜県1,0651,001642025年10月18日
静岡県1,0971,034632025年11月1日
愛知県1,1401,077632025年10月18日
三重県1,0871,023642025年11月21日
滋賀県1,0801,017632025年10月5日
京都府1,1221,058642025年11月21日
大阪府1,1771,114632025年10月16日
兵庫県1,1161,052642025年10月4日
奈良県1,051986652025年11月16日
和歌山県1,045980652025年11月1日
鳥取県1,030957732025年10月4日
島根県1,033962712025年11月17日
岡山県1,047982652025年12月1日
広島県1,0851,020652025年11月1日
山口県1,043979642025年10月16日
徳島県1,046980662026年1月1日
香川県1,036970662025年10月18日
愛媛県1,033956772025年12月1日
高知県1,023952712025年12月1日
福岡県1,057992652025年11月16日
佐賀県1,030956742025年11月21日
長崎県1,031953782025年12月1日
熊本県1,034952822026年1月1日
大分県1,035954812026年1月1日
宮崎県1,023952712025年11月16日
鹿児島県1,026953732025年11月1日
沖縄県1,023952712025年12月1日

出典:厚生労働省|令和7年度 地域別最低賃金 答申状況

今回の改定により、初めてすべての都道府県で時給1,000円を超えることになりました。引き上げ後の最低賃金が最も高いのは東京都の1,226円で、最も低いのは高知県、宮崎県、沖縄県の1,023円です。

なお、人材流出の防止や地域間格差の是正などが必要とされるため、39の道府県で目安を上回る引き上げとなりました。最も引き上げ額が高いのは熊本県で、目安より18円高い82円の引き上げとなります。

最低賃金はいつから上がる?

最低賃金の改定は、例年10月1日以降に順次適用されます。具体的な開始時期は都道府県によって異なりますが、今回は企業の準備期間を確保するため、現在の制度になってから初めて適用までに年をまたぐ県が現れました。

最も早い栃木県では10月1日から適用されますが、最も遅い秋田県では来年3月31日からの適用が予定されています。

最低賃金の対象は?

出典:厚生労働省|最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象は、基本給に諸手当(職務手当・役職手当・住宅手当など)を加えた毎月支払われる基本的な賃金です。

次の賃金は最低賃金には含まれません。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

月給制や日給制でも最低賃金は適用される?

最低賃金は「1時間あたりの賃金」で定められますが、月給制・日給制・出来高払制などすべての給与形態に適用されます。また、正社員・パート・アルバイトなどすべての従業員が対象です。

最低賃金額以上か計算する方法は、下記の厚生労働省のサイトで確認できます。

参考:最低賃金額以上かどうかを確認する方法|厚生労働省

特定(産業別)最低賃金も要チェック

最低賃金には、今回改定される「都道府県別最低賃金」のほかに「特定(産業別)最低賃金」があります。特定(産業別)最低賃金とは、特定の産業で働く労働者に対し地域別最低賃金よりも高く設定された最低賃金のことで、適用される業種は地域によって異なります。

ただし、次のような労働者は特定(産業別)最低賃金が適用されません。

  • 18歳未満又は65歳以上の方
  • 雇入れ後一定期間未満の技能習得中の方
  • その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方

特定(産業別)最低賃金の改定は、例年10月から翌2月頃にかけて実施されます。しかし、毎年改定されるとは限らず、地域別最低賃金の水準を下回り無効になっている場合もあります。

参考:厚生労働省|特定(産業別)最低賃金全国一覧

最低賃金が上がったことで「106万円の壁」は撤廃

今回の最低賃金改定により全都道府県の最低賃金が1,016円を超えたことで、週20時間働いた場合の年収は106万円以上になります。このため、2025年の税制改正で「最低賃金の引き上げ状況を見極めたうえで3年以内に撤廃」とされていたいわゆる「106万円の壁」は、2026年の春を目途に撤廃する方針が厚生労働省より発表されています。

関連記事:年金制度改正法成立で何が変わる?主な改正点をわかりやすく解説

賃金が上がったら「年収の壁」に注意

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/28556824

賃金の上昇は働く人にとって歓迎すべきことですが、106万円・130万円といった「年収の壁」を意識して働いている方は注意が必要です。最低賃金の上昇にともない時給が上がった場合、労働時間をそのまま維持すると年収が壁を超えてしまう可能性があります。改めて年収がいくらになるか計算してみましょう。

また、2025年度の税制改正では、年収の壁の内容にも変更がありました。この機会に、自分に合った働き方や将来の収入プランについても見直してはいかがでしょうか。

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