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2025/09/26

iDeCoの拠出限度額引き上げはいつから?

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23858485

2025年6月に成立した年金制度改正法に盛り込まれたiDeCo改正スケジュールの一部が、厚生労働省のWebページで発表されました。特に会社員の拠出限度額は大幅に上がるため、掛金の見直しを検討している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、iDeCoの拠出限度額引き上げ時期や金額のほか、今後予定されている改正点についてわかりやすく解説します。

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iDeCo掛金の上限は2027年1月から引き上げられる予定

令和7年度税制改正により決定されたiDeCoの拠出限度額引き上げについて、実施時期が厚生労働省の企業年⾦情報ポータルサイト「e-年⾦.jp」で発表されました。

『私的年金制度の主な改正事項の施行スケジュール【予定】』によると、iDeCoの拠出限度額引き上げは “令和9(2027)年の控除分からの実現を目指して準備を進める” とあり、具体的には2027年1月引き落とし分から引き上げられる予定です。

iDeCo拠出限度額はいくら上がる?

出典:厚生労働省|令和7年度税制改正に関する参考資料

iDeCo掛金の上限額は、国民年金の加入区分などにより異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

第1号被保険者は月額7,000円引き上げ

自営業者やフリーランス、学生など第1号被保険者のiDeCo拠出限度額は、国民年金基金の掛金や国民年金の付加保険料との合算で月額68,000円から月額75,000円へと7,000円引き上げられます。

第2号被保険者は最大42,000円引き上げ

会社員や公務員など第2号被保険者は、勤務先の企業年金等の有無などにより拠出限度額が異なります。

企業年金がない会社員の場合、現在のiDeCoの拠出限度額は月額23,000円です。2027年1月以降は、上限が39,000円引き上げられて月額62,000円となります。

一方企業年金がある会社員や公務員は、これまではiDeCoだけで月額2万円、さらに企業年金等との合算で月額55,000円までという2つの上限がありました。改正後はiDeCoだけの上限が撤廃され、企業年金等と合わせて月額62,000円まで拠出できるようになります。

これにより、企業年金がある会社員は最大42,000円引き上げられます。なお、公務員は34,000円引き上げで54,000円まで拠出できるようになる見込みです。

第3号被保険者の拠出限度額は変更なし

第3号被保険者の拠出限度額は、2027年1月以降も月額23,000円で変更はありません。

さらに積極的に資産運用したい方は、iDeCoと同じく利益が非課税となるNISAの利用を検討してはいかがでしょうか。

関連記事:いまさら聞けない「新NISA」の基本!お得な理由や初心者におすすめの商品選びも解説

拠出限度額引き上げ以外のiDeCo改正スケジュール

iDeCoでは、拠出限度額引き上げ以外にも退職所得控除に関するルールや加入可能年齢の変更が予定されています。それぞれの改正時期や変更内容を見ていきましょう。

2026年1月1日|5年ルールが10年ルールに

iDeCoの受け取りを「一時金」として受け取る場合は、退職金と同じく「退職所得控除」を利用できます。退職所得控除は勤続年数(iDeCoの場合加入年数)に応じて控除額が増える仕組みで、長くなるほど非課税で受け取れる金額が大きくなります。

これまでは、iDeCoを一時金として受け取った後5年以上空けて退職金を受け取れば、退職所得控除がそれぞれ満額適用されて税負担を軽減できました(いわゆる「5年ルール」)。しかし、2026年1月1日以降はこの期間が5年から10年に延長されます。

これにより、退職所得控除を十分に活用するには、60歳でiDeCoを一時金で受け取った後、70歳以降に退職金を受け取る必要があります。70歳以降の退職金受け取りは現実的ではないため、退職所得控除の「二重取り」は実質困難になるといえるでしょう。

2027年1月1日|加入可能な年齢が引き上げ


出典:社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための 国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)の概要等

これまでiDeCoへの加入は原則「65歳未満」まででしたが、2027年1月からは「70歳未満」に引き上げられます。これにより、iDeCoや老齢基礎年金を受け取っていなければ定年退職後も積立を継続でき、iDeCoを使った資産形成をより長く続けられるようになります。

一定以上の所得があれば節税効果が期待できるため、加入可能年齢の引き上げは65歳以降も働き続ける人にとって大きなメリットがあるといえるでしょう。

iDeCoの拠出限度額引き上げは2027年1月から

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3600414

iDeCoの拠出限度額は、2027年1月の引き落とし分から引き上げられる予定です。掛金増額の申し込みは数ヵ月前から始まるため、希望する方はiDeCo口座のある証券会社や銀行などからの案内をこまめに確認しておきましょう。

iDeCoの掛金を増やすと節税効果が大きくなる上に、老後資金をより多く準備できる可能性も高まります。家計や資産の状況に合わせて増額を検討してみてはいかがでしょうか。

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