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2025/08/12

お金の大切さをどう教える?キャッシュレス時代のマネー教育

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/24563095

スマホやカードを利用したキャッシュレス決済が普及したことで、おこづかいやお年玉を電子マネーで渡す家庭も増えているそうです。キャッシュレス決済には多くのメリットがありますが、「お金を使った」という実感を持ちにくいという側面もあります。このため、「使ったら減ること」や「お金の価値」を、子どものうちに身につけておくことが大切です。

そこでこの記事では、キャッシュレス時代に対応した家庭でできる小学生向けマネー教育を紹介します。

#マネー教育 #子育て #お小遣い #お金の勉強

キャッシュレス化で「お金を知らない子ども」が増えている!

出典:経済産業省|2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました

日本のキャッシュレス決済比率は右肩上がりで上昇しており、2024年には42.8%と「2025年までに4割程度」という政府の目標を前倒しで達成しました。

また、2023年に実施された調査によると、食料品や日用品などの日常的な買い物ではおよそ7割の人がキャッシュレス決済を利用しているそうです。

こうしたキャッシュレスの普及により、日常生活で現金をほとんど使わない人も珍しくありません。親がキャッシュレス決済を利用していると、親子で買い物に行っても現金に触れる機会がなく、子どもは「お金を使う」という実感を持ちにくくなっています。

キャッシュレス化が子どものマネートラブルにつながることも

親がスマホやカードで支払う姿を日常的に目にすることで、「お金はスマホから出てくるもの」「タッチすれば何でも買える」と誤解する子どもも少なくありません。また、金銭感覚が育っていない状態で電子マネーを使い始めることで、無駄遣いにつながることも。

さらに、キャッシュレス化がマネートラブルの原因になるケースも増えています。例えば、交通系ICカードで友達に気軽に奢ってしまったり、キャリア決済でスマホゲームに高額課金してしまったという話も珍しくありません。

家庭でできる小学生のマネー教育

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2020年度から、小学校でも金融教育が導入されるようになりました。ただし、学校では「お金のしくみ」などの基礎知識を学ぶことが中心で、健全な金銭感覚までは身につけられません。

だからこそ、普段の生活の中でお金の大切さや使い方を伝えていくことが大切です。そこで、家庭でできるマネー教育の具体的な方法を紹介します。

親子でお金について話す機会をもつ

「子どもにお金の話をするなんて」と思う方もいるかもしれませんが、むしろタブー視せずに会話することが大切です。まずは、毎日の食事や旅行にかかる費用などは、親が働いて得た収入から出ていることを伝えましょう。

また、「お金には限りがある」「使ったら減る」などのお金の基本も、繰り返し伝えることが大切です。

おこづかいで金銭感覚を身につける

必要なものをその都度買い与えていると、子どもはものの値段を意識しなくなります。そこで、おこづかい制を取り入れるのがおすすめです。

最初は1日分や1週間分など、少額からスタートしてみましょう。慣れてきたら1ヵ月分をまとめて渡すことで、より計画的にお金を使う力が育まれます。ときにはすぐに使い切ってしまい、欲しいものが買えなくなることもあるかもしれませんが、そうした「失敗」も大切な経験です。

おこづかいを通じて、限られた金額の中でやりくりする力や欲しいものを手に入れるためにお金を貯める習慣が少しずつ身についていきます。

おこづかい帳で使った内容を記録

おこづかいを渡すようになったら、何にいくら使ったかを「おこづかい帳」に記録する習慣をつけさせましょう。お金の使い道を見える化することで、「何にどれくらい使っているか」を意識するきっかけになります。

おこづかい帳はただつけるだけでなく、親子で見直しながらお金の使い方について話し合うことも大切です。最初は残高が合わないこともあるかもしれませんが、叱らずになぜ合わなかったのか一緒に考えてみましょう。

報酬制を上手に取り入れてみる

「働かないとお金はもらえない」という感覚を伝えるために、家庭内での報酬制を取り入れるのもひとつの方法です。例えば「お風呂掃除をしたら10円」などのルールを設けてみましょう。

ただし、何でもお金と引き換えにしてしまうと報酬がなければ動かなくなる可能性もあるため、バランスには注意が必要です。

子どもに電子マネーを持たせるときのポイント

電子マネーは、正しく使えば子どもにも親にもメリットがあります。例えば、現金に比べて落としたり盗まれたりするリスクが少なく、利用履歴を見れば後から何に使ったか確認できます。また、バーコード決済なら、離れた場所にいても子どもに送金できます。

とはいえ、電子マネーの便利さゆえにお金の価値を実感しにくいのも事実です。そこで、使い始めるときに気をつけたいポイントを紹介します。

まずは現金でチャージする

最初からオンラインで送金してしまうと、「お金=スマホの中にあるもの」という誤解を招きやすくなります。電子マネーがお金と同じ価値を持っていることを理解させるためにも、まずは現金を手渡し、自分でチャージさせる体験を取り入れましょう。

実際に「現金が減って、チャージ残高が増える」のを目にすることで、お金の移動を実感できます。

親子で利用履歴を確認する

電子マネーは使った履歴や残高が画面で確認できるため、管理しやすいというメリットもあります。しかし、履歴でわかるからといって放置せず、親子で一緒に履歴を確認する時間を設けましょう。

「何に使ったか」「どのくらい残っているか」を振り返りながら、必要に応じてアドバイスをしたり、良かった使い方を褒めたりすることで、自然と金銭感覚が育まれます。

家庭でのマネー教育は正しい金銭感覚を身につけるために重要

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/32817462

キャッシュレス化は今後ますます進んでいくと考えられており、子どものうちから正しい金銭感覚を育てておくことはこれまで以上に重要となります。親子でお金について話す機会を持ち、日常の中で「お金の大切さ」を少しずつ伝えていきましょう。

また、「キャッシュレスは苦手だから」と子どもに何も教えないままでいるのは避けたいところです。仕組みや使い方を知らないまま大人になると、使いすぎるなどのトラブルにつながることも。親子で一緒に学びながら、将来困らないためのお金の知識を育てていきましょう。