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2025/05/19

【NISA初心者向け】株価下落時の対処法と心構え

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2025年4月、アメリカのトランプ大統領が「相互関税」を発表したことで、翌日から2日間でダウ工業株30種平均は3,900ドル以上も下落。日経平均株価も発表日からわずか3日で4,500円を超える大幅な下げを記録しました。その後も株式市場は不安定な動きを続けており、新NISAで投資を始めた方の中には含み損を抱えて不安になっている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、株価が下落したときの対処法や慌てず冷静に対応するためのポイント、下落時の心構えについてやさしく解説します。

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株価が下落したときの対処方法

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株価が下落したときの対処方法には次の3つがあります。

  1. すぐに売却する
  2. 買い増しする
  3. 何もしない

それぞれどんな人に向いているか解説しますので、自分にはどれが合うか考えてみましょう。

1.すぐに売却する

株価の下落は、短期間で終わるとは限りません。例えば2008年のリーマンショックでは、リーマン・ブラザーズ破綻してから最安値をつけるまでに約半年かかりました。

このように相場の低迷は長く続くこともあるため、含み益が出ている場合はマイナスに転じる前に売却するという選択肢もあります。また、すでに含み損が出ている場合でも、早めに損切りすることで大きな損失を防げる可能性があります。

さらに、株価の動きが気になって仕事に集中できなかったり、夜も眠れないほど不安になってしまうようであれば、今の投資スタイルが自分に合っていない可能性もあります。一度売却して、無理のない投資方法に見直してみることも大切です。

<すぐに売却するのが向いているのはこんな人>

  • 短期投資目的ですでに利益が出ている人
  • 今後の下落が精神的に耐えられないと感じる人

2.買い増しする

株価が下落したとき、NISAの年間投資枠や手元の資金に余裕がある方は、「買い増し」を検討するのもひとつの方法です。

すでに保有している株が値下がりしたタイミングで追加購入することを「ナンピン買い」といいます。ナンピン買いすることで1株あたりの平均購入価格が下がるため、株価が回復したときに利益を得やすくなります。

<買い増しするのが向いているのはこんな人>

  • 投資資金に余裕がある人
  • 長期での投資を考えている人
  • 今後株価が値上がりすると考えている人

3.何もしない

投資の世界には「休むも相場」という格言があります。これは、先行きが不透明なときには、あえて動かずに静観するのも立派な戦略であるという意味です。

株価は短期的には上がったり下がったりを繰り返しますが、長期的には成長していく傾向があります。そのため、焦って売ったり慌てて買い増したりするよりも、落ち着いて市場の回復を待つことが最終的にプラスにつながるケースも多いです。

特に、投資信託などで積立投資をしている人は、株価が下がると同じ金額でより多くの口数を購入でき、結果的に資産形成に有利になります。こうした積立投資の効果を最大限に活かすために、値下がりを理由に積立を止めるのはあまりおすすめできません。

<何もしないのが向いているのはこんな人>

  • 長期的な資産形成を目的にしている人
  • インデックスファンドなどで積立投資をしている人
  • 短期的な値動きに振り回されたくない人

株価下落で慌てないためのポイント

投資初心者は、株価急落で不安になり判断ミスをしてしまうことも少なくありません。そんなときでも冷静に対応するためには、事前の準備と心構えが大切です。そこで、株価が下がっても慌てないために押さえておきたいポイントを紹介します。

余裕資金で投資する

投資は、生活費や急な出費に備えるお金とは分け、余裕資金でおこなうのが基本です。株価はいつ何がきっかけで大きく下落するか予測が難しく、回復に時間がかかる可能性があります。例えば、2008年のリーマンショックでは株価が元の水準に戻るまで約4年半、2020年のコロナショックでは約11ヵ月かかりました。

こうした状況でも生活に困らないようにするため、教育費やリフォーム費など数年以内に使う予定のあるお金と、生活費3~6ヵ月分程度の「生活防衛資金」は、預貯金など安全性の高い方法で確保しておきましょう。

当面使う予定のない余裕資金で投資をおこなうことで、相場が下がっても慌てることなく、冷静に長期的な資産形成に取り組むことができます。

分散投資する

投資先を一つに集中させてしまうと、特定の業種や企業に大きな影響が出たときに損失が膨らむリスクがあります。

例えば今回の「トランプ関税ショック」では、関税政策の発表を受けて国内外の多くの銘柄が下落しました。しかし下落率はそれぞれ異なり、同じ日本株でも関税の影響が大きい自動車関連株は最大約20%も下落しましたが、海外の影響を受けにくい情報・通信関連株は数%の下げにとどまりました。

このように、影響の受け方は銘柄によって差が出るため、複数の業種や分野に投資することが大切です。また、株式だけでなく投資信託や債券などに分散投資することで、特定の要因によるリスクを抑えられ、安定した資産形成につながります。

投資のルールを決めておく

株価が急落しても慌てず対応するためには、あらかじめ「〇〇円まで下がったら売る」など自分なりの投資ルールを決めておくのも効果的です。ルールを守ることで感情に左右されるリスクが減り、結果的に安定した運用が可能になります。

また、株価の動きが気になって仕方がない人は、「日中は株価をチェックしない」といったルールを設けるのもメンタルを保つためのひとつの方法です。

株価下落時の心構え

株価が下がると不安になるのは当然ですが、大切なのは冷静さを保つことです。ここでは、下落局面を乗り越えるための心構えを紹介します。
感情的にならない
株価が急落すると不安から「今すぐ売らないと」と焦ってしまいがちですが、感情に任せた判断は後悔を生む原因になります。

特に、今回の「トランプ関税ショック」のような世界的な株安では、個々の企業の業績に関係なく、ほとんどの銘柄が一時的に大きく値下がりします。こうした場合、問題が解消されれば株価が回復する可能性が高いため、冷静な判断が重要です。

長期目線を意識する

長期的な資産形成を目的に投資をしているなら、株価が下がったときこそ「なぜこの銘柄を買ったのか」を思い出してみましょう。将来性や事業の安定性に期待して購入したのであれば、一時的な値下がりで売ってしまうのは本末転倒です。短期的な株価の変動に振り回されず長期目線を意識することが、焦らず投資を続ける気持ちの余裕につながります。

投資は続けることが大切

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投資で成果を出すために大切なのは、途中でやめずに続けることです。これまでの株式市場を振り返ると、どんなに大きな下落があっても、時間をかけて回復してきたという実績があります。

長い目で見れば、一時的な下落はむしろ優良な銘柄を安く買うチャンスともいえます。また、継続することで下落にも慣れ、感情に振り回されずに対応できるようになります。

長期的な資産形成を目標にしている方は、金銭的にも精神的にも無理のない範囲で投資を続けてみてはいかがでしょうか。


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