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2025/05/30

米国株投資が注目される理由|知らないともったいない「円貨決済」と「外貨決済」の違いも解説

高い成長が期待できることや円安対策に役立つことから、米国株が注目を集めています。しかし、国内株とは決済方法が異なるため、取引をする前の段階でつまずいてしまう人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、米国株が注目されている理由や、円貨決済・外貨決済の違いをわかりやすく解説します。

米国株が注目される理由

米国株が注目されている理由として、次の3つが挙げられます。

  • 長期にわたり成長を続けている
  • 定期的に配当が得られる
  • 円安リスクに備えられる

以下ではそれぞれ簡単に説明します。

長期にわたり成長を続けている

アメリカの株式市場は歴史的に見ても長期的な成長を続けています。この30年間で日経平均株価の上昇は約2倍だったのに対し、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500指数は約12倍と大きく上昇しました。

また、アメリカにはAppleやMicrosoft、Amazonなど世界的な大企業が数多くあります。これらの成長の恩恵を受けられるのも、米国株投資の魅力といえます。

定期的に配当が得られる

アメリカ企業は日本企業に比べて配当を重視する傾向にあります。多くの企業が安定した配当や増配を実施しており、株主にとって利益を享受しやすい環境が整っています。そのため、米国株投資は定期的な配当収入を得たい人にも人気です。

円安リスクに備えられる

2022年頃から急激に円安が進んだことにより、資産をすべて円で持つことをリスクととらえ、米国株や外貨預金などに資産を振り分ける人が増加しました。

円安になると日本円の価値が下がり、相対的に米ドル建ての資産価値が上昇します。米国株の保有は為替変動のリスクを分散し、円安による資産の目減りを防ぐ効果が期待できます。

米国株を売買するときの決済方法は2種類

米国株を購入する前に知っておきたいのが、「円貨決済」と「外貨決済」の違いです。それぞれどのような仕組みなのか、分かりやすく解説していきます。

円貨決済とは?

円貨決済は、証券口座の日本円を使って米国株を売買する方法です。本来、米国株はドルで取引する金融商品ですが、円貨決済はドルに両替することなく売買できます。

 

<円貨決済の特徴>

  • 日本円資金でそのまま米国株を購入できる
  • 売却時の両替も自動で行われる
  • 取引の度に為替手数料がかかる

証券口座にドルがなくても米国株が買えるため、円貨決済はスピーディーな取引をしたい人に向いています。売却時もドルから円に自動で両替されるため、国内株と同じ感覚で取引できます。

なお、証券会社によって円貨決済の仕組みは異なり、証券口座のドル資金が優先的に使われる場合もあります。為替手数料にも違いがあるので、取引を始める前に各社のサービスを比較してみましょう。

外貨決済とは?

外貨決済とは、証券口座の日本円を自分で外貨に換えてから取引をする方法です。米国株はドルで購入し、売却代金もドルで受け取ります。

 

<外貨決済の特徴>

  • 米国株を買う前に両替が必要
  • 売却時の損益もドルベースで計算される
  • 両替するときに為替差益を狙いやすい

外貨決済では、米国株を買うときと売った後に自分で両替を行います。自分のタイミングで両替できるため、円高の時にあらかじめドルを買っておいたり、円安になってからドルを円に戻したりなど、為替差益を狙うことも可能です。

また、証券会社によっては、外貨建てMMFやETF、外国債券なども外貨決済の対象なので、投資の幅が広がる場合もあります。

円貨決済で何度も売ると手数料がかかる

円貨決済は便利なサービスですが、繰り返し取引する場合と為替手数料がかさんでしまいます。その理由を次の取引例を参考に見ていきましょう。

■取引内容

  1. 米国株Aを1株=100ドルで100株購入
  2. 米国株Aを1株=150ドルで100株売却
  3. 米国株Bを1株=100ドルで100株購入
  4. 米国株Aを1株=150ドルで100株売却

■取引条件

  • 為替手数料:1ドルあたり25銭
  • 売買手数料や為替変動、税金は考えないこととする
  • 外貨決済は4の取引後にドルを円に両替する

<円貨決済と外貨決済の手数料>

 円貨決済外貨決済
1.米国株Aを購入2,500円2,500円
2.米国株Aを売却3,750円0円
3.米国株Bを購入2,500円0円
4.米国株Bを売却3,750円3,750円
為替手数料合計12,500円6,250円

このように、円貨決済では購入時と売却時にそれぞれ為替手数料が発生します。売却後に米国株へ再投資するとその都度手数料がかかるため、コストがかさみやすくなります。

一方、外貨決済は売却代金をドルで受け取るため、再投資時に為替手数料がかかりません。そのため、繰り返し投資する場合は、外貨決済のほうがコストを抑えやすくなります。

ただし、どちらの決済方法にもメリット・デメリットがあるので、自分の投資スタイルに合ったほうを選ぶと良いでしょう。

<円貨決済と外貨決済のメリット・デメリット>

 メリットデメリット
円貨決済
  • 両替えをする必要がない
  • スピーディーに取引できる
  • 為替手数料がかさみやすい
  • 取引のタイミングでしか為替差益を狙えない
外貨決済
  • 為替手数料を抑えられる
  • 為替差益を狙いやすい
  • 両替の手間がかかる
  • 資金管理が複雑になる

投資の幅を広げたい人には外貨決済がおすすめ

米国株は今後も成長が期待でき、円安リスクもに備えられる金融商品のひとつです。

米国株の決済方法には円貨決済と外貨決済があり、繰り返し米国株を取引する場合は外貨決済のほうが為替手数料を抑えられます。また、自分のタイミングで両替できるため、為替差益を狙いやすいのも外貨決済のメリットです。

ただし、米国株は経済状況や為替レートによっては損をすることもあります。きちんと仕組みを理解したうえで取引を始めましょう。